チクル妄想工房

ガムベースの作ったものを載せたり、他人の創作物への感想を書いたりしています。

アイマス21話面白いじゃないですか

 やっぱり気のせいじゃなかった! 21話のOPの千早が歌うシーン、絵が変わってますね。千早、実にいい顔で歌っています。

 アイドルに復帰した千早はアイドルジャムというイベントに参加することになりました。諦めの悪い黒井社長がライブの妨害をしますが、せこい真似ばかりやってます。ただ、千早にとってこのライブは生の復活宣言の場でもあり、なによりまだ完全に自信を取り戻しているわけではない。小さな失敗が千早の自信を削いでしまうかもしれない。今話の黒井は見苦しいほどに小物ですが、厄介なんです。
 千早にとっては本当に大切なライブです。それなので、春香さんだけじゃなくてみんなが千早に気を遣っている。楽曲データに不具合が出たとわかったときも、みんながそれぞれ自分の出来るパフォーマンスで繋ごうとします。ライブの最中にトラブルっていうと13話を思い出しますね。「いまはお客さんにどう見られるかより、自分たちが何を届けたいかを考えることにしない?[……]ちょっとくらい不格好でも、自分たちができること、会場の隅から隅まで届けようよ」という春香さんのセリフと共に。あのときみたいにみんな慌ててないのがいいね。ただ千早には何か提案があるようで、テントに入ってきて何か言いたそうにしているのに春香さんが気付いて、二人でテントの外に出ます。そこで春香さんは千早に、千早ちゃんが本当にしたいことを聞かせてほしい、みんなだってわかってくれる、と言います。自分たちは何でも言い合える仲間であって、遠慮なんかしてほしくないってことですね。20話でPに言われたように、千早ももうみんなの気持ちを分かってくれている、と春香さんはわかっている。そして千早は、みんなに、自分がアカペラで歌うと提案。みんなが支えてくれることには感謝しているけれど、いつまでもみんなの優しさに甘えてはいられない。自分はもう大丈夫だって自分のことを支えてくれたみんなに見て欲しい、と。千早なりのみんなへのお返しなんでしょうね。そして、もう心配しないで欲しい。支える立場、支えられる立場のままではいられない。千早にとって歌というのは、弟に縛られることがなくなっても、彼女自身にとって大切なものなんです。仲間が支えてくれることの他に、これこそ千早が気付くべきことでした。千早はステージに向かう途中でジュピターとすれ違いますが、千早の目には彼らのことは映っていない。そうして、千早はあえてアカペラという困難な状況で歌います。千早が歌ったのは「眠り姫」、過去に閉じこもっていた千早がこれからのために歌おうと決意したことを表現してるんでしょう。(ところで、「音無し」のステージと、後半の「音無小鳥」はシャレではないでしょうね?)
 ライブが終わったあと、どこか知らないお洒落なバーへ。ここ、すごい、若い人が一人もいないんです。そのバーで小鳥さんが歌います。カウンターの写真立ての写真には、小鳥さんと高木社長と黒井社長、吉澤さんが一緒に写っていました(小鳥さんいくつなんだろう)。むかし歌手だったかアイドルだったか。それがいまは、ひとつのバーでひっそりと歌っているだけ。いや、バーのアイドルではあるかもしれない。高木社長が「若い人たちを信じて自由にやらせてみるのもいいかも知れない」と言ってましたが、このバーはそういう第一線から退いた人たちの場所なのかなと思いました。黒井社長は歌の途中で出て行ってしまいますが。「歌う楽しさや喜びは人それぞれ」。これは、今回の件における千早、そして他のアイドルたちに向けられた言葉に思えます。もちろん千早はもう心配無用ですけれど。
 バーを出てからの会話がいいんですね。千早がふと、ひとり言のようにつぶやきます。「アイドルって何かしら」。この言葉に隣にいた春香さんは即答できないで考え込む。美希は「キラキラーって輝いてる人」「見た人みんなまぶしいーって感じで、ドキドキしちゃう感じ」、それを聞いて千早は「人の心に幸せを届けることができる人」「私はそれが歌でできるようになりたい」。二人はこの時点で明確なアイドル像を持っているんです。自分がアイドル活動を通してやりたいことを見つけた。そういえば17話の真も最後はそんな話でした。春香さんは結局、ここでは自分のことはなにも言わない。春香さんにとってアイドルとはずっと「憧れ」であって、「アイドルになること」それ自体が目標でした。だから、そこから先についてはまだ何も考えていない。二人の言葉を聞いて、アイドルとはそういうもの、幸せを届ける人だと、春香さんはちょっと考えたと思います。まだ、たぶん実感はしていないのですけれど。これから描かれるのかな。
 仕事は違えどアイドルの手助けをするという点で同じ立場である、小鳥さんとPとりっちゃんが、並んで歩いている。小鳥さんは言います。「今の私の夢は、みんながトップアイドルになってくれることなんです。そのお手伝いができれば、私は幸せなんです」。18話でりっちゃんも同じようなことを言っていましたね。ただ、りっちゃんはそのとき改めて気付くということができるくらいには、まだ近い過去であったわけですが、小鳥さんにとっては自分で、笑いながら「女にはいろいろな過去がある」と流してしまえるようなことでした。765プロの事務の仕事が「幸せなんです」とはっきり言ってしまえる。だから歌の仕事を辞めた(らしい)あとも、「歌が好き」という理由で狭いバーで歌うことに幸せを感じることができるんでしょう。それとも高木社長のセリフのように、歌が歌えることそのことが自分にとっての「歌う楽しさや喜び」だと気付いて、それが辞めることの切っ掛けになったのかもしれない。
 で、黒井社長やジュピターは退場したっぽいです。彼らは何のためにこのアニメに登場したのだろう。はじめから物語を動かすだけの役割だったのか、意味を求めるとしたらジュピターと黒井、765アイドルたちとPとの対比くらいか。黒井はまあともかく、ジュピターのアクションって今話での謀反だけですよね。僕はジュピターの回を一回つくって欲しかったです。