チクル妄想工房

サークル「小公園」の仮拠点です。ガムベースの作ったものを載せたり、他人の創作物への感想を書いたりしています。

アイマスのアイドル

 先日某氏と話をしまして、アイマスみたいなアニメ風キャラのアイドルユニットがあってオススメだという話を聞きましたのです。実際に歌を聴かせてもらって、歌自体はわりあい好きな類だった気もするのですが、声とか歌い方が、申し訳ないけれども正直あまり好きになれませんでした。中の人は若い声優さんらしく声もぴちぴちな印象はありましたが、若いとはいっても当然ながらロリと呼べる歳ではないため(声からの推測ですが)その若さは僕にとっての魅力にはなりえませんでしたというのは冗談として。

 彼女たちの歌が一般的な評価基準に照らして良いものかどうかは僕には判断しかねるのですが、アイマスと比べるとどうしても魅力に欠けるよなあ、と僕の主観としては感じました。アイマスがどうしてそんなに良いのかというと、良いものは良いのだからよいではないかといった調子で、理由など一度も考えたことがありませんでした。
 アイマスの子たちは平均的にみんな歌上手いっちゃあ上手いと思いますが、他のアイドルユニットの歌唱力を評価する能力が僕にない以上、それはアイマスを好く一要因ではあっても決定的な理由ではないのでしょう。アイマスの歌自体も大好きなのですが、普通のアイドル歌手の歌っている歌が嫌いなわけでもない(と思う、たぶん。真剣に聴くことがほぼないからわからないが。まあ、アイマスの歌のほうが、好きですけれど)。僕がアイマスの子たちを良いと感じるいちばんの理由は、おそらく「歌い方が若いアイドルっぽくない」からではないだろうかと、その日気づいたのです。
 ということは、歌い手や歌の良し悪しではなく、単なる好みの話だったわけです。僕はどうやら「若いアイドルっぽい歌い方」が好きではなかったみたいなんです。親父が最近ちょっと有名になってきた、とあるユニットの歌をしょっちゅう聴いてたりするんですが、あとテレビでは相変わらずAKB48ですが、確かに僕はどれも好きではないのです。たとえアイマスのみんなくらい好きな子たちがいたとしても、歌い方次第では「もういい、もういい」ってなると思います。何というか、声と歌い方なんですよ。
 その点においてアイマスはあまりにもらしくない。僕の好かない、上の彼女らを普通のアイドル歌手とすれば、アイマスのみんなは普通の若いアイドル歌手らしくないということになります。アイマスのみんながフィクション作品の登場人物であるために、中の人たちは歌手というよりも歌手の声優をやっているということがこの違いの原因でしょう。アイマスのみんなは演じられた人物であって、演じられつつ歌っているから、ぜんぶの歌がキャラクターソングみたいなもんであって、そこには僕の嫌いな若いアイドル歌手っぽさがでてこないんです。中の人が若くないのも理由だと思いますが気のせいだ。僕はこういった考察のときでもなければ「中の人などいない」と目を逸らすタイプです。

 ともかく、僕の感じるアイマスの歌の魅力は、若い子(もちろんだ!)が歌っているのに若い子っぽさがないところなんですね。キャラクターとしての演技によってキャラクターと歌の魅力を引き出しているといいますか、何といいますか。
 僕はゲームのアイマスはやったことないんですが、元が声入りのゲームであったからこそ、アイドルたちは、顔と身体だけのお人形ではなく、歌って踊るときでさえ演じられたキャラクターでいられたんでしょうね。そういう子たちだから好きになれたのでしょう。僕がアイマスに初めて惚れたのはアニメですし、3話では話の内容はともかくとしてライブのシーンでは涙出ましたしね、きっと歌うことそれ自体がドラマなんです。ゲームでもプレイヤーの立場はプロデューサーです。アイドルとしての彼女たちだけでなく、アイドルでない女の子としての彼女たちも知っている。だからアイドルたちを見ながらいろいろ共感しちゃうのだし、それだけでなく、声優さんの演技がそういった視聴者・プレイヤーとアイドルたちの関係を表現してもいるのでしょうね。すると今どきの若いアイドルぽくない、というのは簡単にいえば、声優さんの表現力のおかげってことになってしまうのでしょうか。えっこんな所に着地するのですか?