チクル妄想工房

サークル「小公園」の仮拠点です。ガムベースの作ったものを載せたり、他人の創作物への感想を書いたりしています。

アケマスをやりました3

3回目のプレイ。

Cランクで活動停止かと諦めかけてたけれど、案外なんとかなるものです。
Bランクもこえて、Aランクにまで上がりました。
58週です。

オーディションを受けまくって、期間ぎりぎりでランクアップしてます。
BからAへのリミットも12週かそこらしかなかった。
何だか知らないがパラメータが落ちはじめるし、思い出は足りなくなるし、でもオーディションは受けなければいけない。余裕がありませんでした。
そう、忙しかった。アイドルランクが上がるほど、忙しくなっていくのでしょうか、このゲームは。春香さんの人気が出るほど、忙しくなっていく。
ゲームになっていく。

日常のコミュニケーションで、僕は春香さんの、普段のアイドル活動の様子を知る。
アイドルランクが上がってすぐのコミュニケーションでは、アイドル活動への思いをすこしだけ、知ることができる。
朝は、いつものあいさつをする。
(春香さん……素直で、明るくて、頑張り屋で、ちょっとひょうきんで、という月並みな、何のいみもない言葉しか出てこない……数多くの言葉で形容すればするほど春香さんが鮮明に現れる、というわけでもないだろうけれど……)
テレビ番組に出演して、たくさんの人に歌を聴いてもらうために、オーディションに臨む。
番組出演でのステージでは、僕はいつも、涙ぐんでしまいそうになる。だから、というわけでもないけど、輝いている春香さんの姿を残しておきたくて写真を撮る。半目の春香さんとかも、こっそり。

でも、考えてみると、ずっと同じことを繰り返しているんですよね。
今日のプレイで、「忙しい」という感覚があって、はじめて気付きました。
そうやって、同じことを繰り返し、気づけばもう、ランクアップリミット寸前にいる。
(てか、そもSランクの話など一言も出なかったんだけど、どういうことすかね……)
リミットに追い立てられるようにプロデュースを続け、気づいたら別れが間近に迫っていた。

「そんなものかもしれない」と、思う。
日常というのは、そんなものかもしれない。いや、でも、これは、ある意味では、非日常かもしれない。非日常としての日常なのです、たぶん。

春香さんにとって、アイドル活動が永遠でないのならば……春香さんの輝ける時間は忙しさにのまれて、あっという間に過ぎ去ってしまう。
マイペースでやっていこう、なんて、いつか二人で確認し合ったけれど。僕と春香は、人気が出てきたころからは、レッスンの時間も惜しんで、矢継ぎ早にオーディションに挑んで、ファンを増やし、活動停止から逃れるために立ち止まることを決して許されなかった。

そうやって、ついに、Aランクにまで上り詰めたけれど(いや、Sランクが存在するのだから、上り詰めてはいなかったのだ)、Aランクアイドルとして活動できる時間は、たったの8週しかなかった。
8週!
一生懸命アイドル活動を続けてきて、ようやく到達した高み。多くの人に応援されて、たくさんの人が春香さんの声を姿を待ち望み、おそらく、春香さんは、春香さんの夢見ていた世界にじっさいに立つことができた、けれど、そこで歌って踊れるのはたったの8週しかない。

僕はプロデューサーです。だから、僕は次のアイドルをプロデュースする。世界として、そういう予定になっているはずです。でも、アイドルの春香さんは、もう3週したら、活動停止になってしまう。
終わってしまうのは僕の時間ではない。終わってしまうのはアイドル天海春香の時間である。天海春香のプロデューサーの時間すなわち僕と春香さんの時間である。終わってしまうのは春香さんが、僕の目の前にいてくれる、時間である。春香さんがステージの上で歌って踊れる時間である。
春香さんはどこにいってしまうのか。

このままSランクに上がれるはずもありません。いいえ、僕のやり方でここまでこれたこと自体が、奇跡です。僕は自分の仕事に誇りを持っていいのかも知れないが、春香さんのことを考えると、そんな気分になれるはずがない。

もう、泣いても笑っても、あと3週でお別れなんですよね。
長い間いっしょに頑張ってきたこと。これは僕の思い出として残る。
僕が忘れない限り。
春香さんは僕の中に。
最後まで、頑張りたい。
10万人のオーディションに挑もうか、それとも、ゆったり春香さんと話をするか。
オーディションに合格できたらいい思い出になりそうだけど、どっちでもいいような気もします。
どちらにしても、お別れです。
春香さん。
春香と呼ぶべきか。

わかりません。
どうしてもわからないです。
天海春香のプロデュースを何度も経験して、どうして、春香Pは、天海春香を、春香さんと呼べるのだろう。なんでそんなふうに呼べる?