チクル妄想工房

サークル「小公園」の仮拠点です。ガムベースの作ったものを載せたり、他人の創作物への感想を書いたりしています。

ぱすてるメモリーズ 7話

面白かったですね

はっちゃけてて大変良かったですね。
けれどただ滅茶苦茶やってるんじゃなく実は秩序はちゃんと保たれていて、話の流れも無いようであるけれど大筋だけは明確で、そのなかにネタを丁寧にかつ無理やり果てしなく詰め込んでいて、ともかく中々面白かったですね。OPからEDまで、そしてオチまで含めて、やることやりきった感がすごいです。最後まで見て、作った側も見てる側も皆でうなずいてる、そんな感じ。
有名RPGはほとんどやったこと無いし、別にゲーマーというわけでもないので元ネタはあんましわかんなかったのですが。

ということでいいと思います。面白かったし、書くこと無いです。
無理やり書こうとすれば何か書けるのですが(いつも無理やりっぽいんですが)7話は特にそういうことをやる意味なさそうです。
あと、ツイッターとかで調べてると見つかる、本来の対象層であろうオタクにとって重要であるらしいお話――元ネタ作品のある場面との一致とか声優が誰だとか――は、わたしには何も言えないのです。

 

例えば沙織のネガティブの日について

明らかに生理を意識してるんでしょうけど、そこに近づけて読む必要もないでしょう。

言うとするなら、例えば、5話6話では主役の性格上の弱点が仲間内でトラブルの原因になることが示されていましたが、それを当人の成長という形で解消していました。作品世界の冒険というのは何らかの障害を乗り越える能力を得るための試練だったわけですね。
7話でも沙織の弱点がトラブルの原因になっていますが、成長という要素は抜き取られています。1日経つと勝手に治るのです。その意味では、トラブルを呼ぶという共通項を見せておきながら、7話の雰囲気に溶け込ませるようにして、さりげなく5話6話からずらしている、と言えます。それも、7話のストーリーについてというより、ぱすてるメモリーズにおける成長物語という定型そのものの価値をです。
7話では、主役の沙織は、経験により変化していく生きた人間という表現ではなく、物語のパーツあるいは物語を動かす装置としての、架空の登場人物という側面が強く出ています。この方法が現実パートを皆無にして虚構感を強調する7話の構成とマッチしてるともいえますし、さらにオチにも繋がっているといえるでしょう。もしかしたら沙織のキャラクターがそういう描き方に非常に合っているという事かも知れません……すなわち、同時に、7話で沙織を選んだ根拠であるのかも知れませんね。

彼女たちは、いくつかの過去回のように人間的に描写をしてもいいし、「美少女キャラ」なのですから、7話のような構成にすればとことん虚構のキャラクターとして描くこともできる。そのへんの自由さを持っているという事でもあるでしょう。

(もっとも、主役にまつわるトラブルで物語を運ぶとか、成長譚に仕立てるというのは、ぱすてるメモリーズ全体の、各話のストーリーを作るうえでの基本的な設計図である可能性もありますから、あんまり読み過ぎないほうがいいのかも知れません。)