チクル妄想工房

ガムベースの作ったものを載せたり、他人の創作物への感想を書いたりしています。

セヘト・イアル

セヘト・イアル』という作品。
これは凄すぎる。どんな作品かは、とにかくやりましょう、やれば何が凄いのかわかるから。
マジでスゴい作品。
作者はPentagram様です。


どんなゲームかは、作者さんの説明書きを隅から隅まで読めばいいと思うのですが、やってみてまず衝撃を受けるだろうものは特異な表現方法でしょう。僕の少ないノベルゲ体験のなかでですが、他に例を知りません。もしかしたらあるのかもしれませんけれど。
文章で物語を展開するノベルゲームの基本の表現形式に加え、絵を次々切り替えて漫画とアニメを組み合わせたような方法を取り入れて話を進めていきます。絵を何枚(何百枚かもしかしたら何千枚か)使ったのか数える気になれませんがとにかく動く。バトルシーンでは圧倒されること間違いありません、ホントに。
これを「ノベルゲーム」と呼んでいいのでしょうか?

ストーリーは悪魔学がどうこうという話で、元ネタは旧約聖書でしょうか。僕は元ネタを知りませんし、まるで知識がなくてどのくらい厳密に引用しているかということはわかりませんが、ひとつの物語としてみるなら非常に練り込まれたものだと思います。
僕の思い出話ですが、主人公が過去(前世)の記憶をなくしているという設定のせいか、SFCヘラクレスの栄光Ⅲと新世紀オデュッセリアが頭に浮かびました。その辺にまはってた時期があったのでどこか懐かしい感覚がなくもなかったですね。

ただ、やはり、あまり上手いとはいえない絵と、最後の投げっぱなし感はマイナスでしょう。
絵はそのうち慣れるでしょうし、味があるという言い方もできるのですが、ラストだけは。ラストだけは!!
物語は勢いの衰えないまま終盤まで突っ走って、終盤は怒涛の伏線回収で、思いっきり没入して読んでたので突然の「THE END」に唖然ですよ。そこで終わりかよ勘弁してくれ!!と。いや、物語は非常によくできてるんです、だからこそしまいまできっちり描いて欲しかったんです。読者として心の底からそう思います。たぶん、謎はほとんどすべて回収されたんだと思うのですけど、でもまさかそこで閉じるとは思わないタイミングで閉じちゃうのです。もうね、わざとやったんじゃないかと思えてきますよ。なぜなのでしょう。

まあ、そんな感じで非常に大きな不満もあるのですが、本作が傑作であることに変わりはありませんでしょう。
これはとにもかくにもやったほうがいいです。やるべきですね。